曲げモーメント図は、「反力を求める → 区間ごとに切る → グラフにする」という3つの手順で必ず描けます。難しく感じるのは才能の問題ではなく、多くの教科書が2番目の「切る」という動作を言葉でしか説明していないからです。
皆さんの中には、参考書の例題は解けるのに、いざ自分の設計した架台や治具を前にすると手が止まってしまう方も多いのではないでしょうか。私も設計1年目のとき、先輩に「この梁、どこが一番危ないと思う?」と聞かれて、答えに詰まった経験があります。図は描けたのに、その図が何を意味しているかを説明できなかったのです。
この記事では、曲げモーメント図(BMD)の描き方を単純梁の具体的な数字で追いながら、参考書によって図の向きが逆になる理由、そして図を描いた後に「板厚を何ミリにするか」を決めるまでの実務の流れまでを解説します。試験のための作図で終わらせず、現場で使える道具にするための内容です。
曲げモーメント図が描けなくて手が止まる皆さんへ

材料力学の教科書を開くと、単純梁の絵があって、三角形や台形のグラフが当たり前のように並んでいます。ところが自分で白紙から描こうとすると、どこから手をつければいいのか分からなくなる。これは非常によくあるつまずき方です。
私が新人の頃に担当したのは、搬送装置のフレームでした。上に載る機器の重量は分かっている、スパンも分かっている。それなのに「角パイプは50角でいいですか、それとも75角ですか」という購買からの質問に答えられませんでした。数字は揃っているのに、答えが出ない。あの感覚は今でも覚えています。
このとき私に足りなかったのは、公式を覚える力ではありませんでした。曲げモーメント図は計算結果ではなく、「梁のどこが一番つらいか」を示した地図であるという理解が、すっぽり抜け落ちていたのです。
地図だと分かっていれば、見方が変わります。目的地(最大値)がどこにあるかを探すために描くのであって、きれいな三角形を描くこと自体が目的ではありません。この視点を持てるかどうかで、その後の理解のスピードが大きく変わります。
曲げモーメント図の目的は「一番危ない断面」を特定すること

曲げモーメント図を描く本当の目的は、梁の中で曲げ応力が最大になる位置を特定することにあります。なぜそれが必要なのかを、順を追って整理します。
梁に荷重がかかると、梁の内部には場所ごとに違う大きさの曲げモーメントが発生します。同じ1本の梁でも、端のほうはほとんど力がかからず、ある1点だけが極端につらい状態になっている。その「一番つらい1点」で材料が耐えられれば、他の場所は自動的に安全です。逆に言えば、そこを外して計算すると設計全体が成り立ちません。
曲げモーメントと曲げ応力の関係
曲げ応力は次の式で求まります。
σ = M / Z
σ:曲げ応力(N/mm²)、M:曲げモーメント(N·mm)、Z:断面係数(mm³)
この式を見ると分かるとおり、応力を決める要素は2つしかありません。荷重条件から決まる M と、断面形状から決まる Z です。設計者が自由に選べるのは Z のほうですが、その Z をいくつにすればいいかは M が決まらないと計算できません。
つまり曲げモーメント図は、材料や板厚を決めるための入口にあたります。ここを飛ばして「なんとなく前と同じ50角」で進めてしまうと、根拠のない設計になります。
「図」でなければならない理由
最大値だけ知りたいなら、公式に当てはめて数字を1つ出せば済むように思えます。それでも図を描く価値があるのは、次の3点が同時に見えるからです。
- 最大値がどの位置で発生しているか(補強すべき場所が分かる)
- 値がゼロになる位置はどこか(継ぎ手や溶接を置いてよい場所の目安になる)
- 荷重条件が変わったとき、形がどう変化するか(設計変更への強さ)
実務では荷重の位置や大きさが途中で変わることが珍しくありません。図として形を理解していれば、条件が変わっても再計算の見通しが立ちます。数字は1点しか教えてくれませんが、図は梁全体の事情を教えてくれます。
曲げモーメント図が描けない3つの原因

描けない理由は人それぞれに見えて、実際には次の3つにほぼ集約されます。自分がどれに当てはまるかを確認してみてください。
原因1:反力を求めずに図を描こうとしている
最も多いのがこのパターンです。荷重の矢印だけを見て、いきなりグラフを描き始めてしまう。
梁に荷重がかかって静止しているということは、支点から必ず反力が返ってきています。この反力を先に確定させないと、区間ごとの式が立ちません。反力は「仮の数字」ではなく、力のつり合いから一意に決まる確定した入力値です。
原因2:符号のルールを丸暗記している
「時計回りが正」「下に凸が正」といったルールを、意味を考えずに覚えようとすると必ず混乱します。特に困るのが、参考書を2冊持っていて、両者で図の向きが違うケースです。これについては後ほど検証の章で詳しく扱います。
原因3:「切って考える」の意味が腑に落ちていない
材料力学では梁を任意の位置で切断し、切った断面に働く力を考えます。この操作が抽象的に感じられて、手が止まる方が多いようです。
切断は、「もしここでノコギリを入れたら、左半分は右半分から何をされていたのか」を可視化する作業です。左半分だけを取り出すと、そのままではくるくる回って落ちてしまいます。それを押さえつけていた力とモーメントこそが、その断面の内力です。この物理的なイメージを持つと、式の意味が一気に通ります。
3つの原因を表に整理すると、対策の方向性がはっきりします。
| 原因 | 症状 | 対策 |
|---|---|---|
| 反力を求めていない | 式が立たない・途中で詰まる | 力とモーメントのつり合いを先に解く |
| 符号を丸暗記 | 参考書ごとに答えが違って見える | 自分が使う分野の流儀を1つに決める |
| 切断が腑に落ちない | 式は書けるが意味が説明できない | 切った片側の自由物体図を必ず描く |
原因が分かれば、あとは順番どおりに手を動かすだけです。次の章で、実際の数字を使って描いていきます。
曲げモーメント図の書き方|3手順を具体例で追う

ここからは実際の数値で進めます。例題として、次の条件の単純梁(両端支持はり)を使います。
- スパン L = 1,000 mm
- 集中荷重 W = 1,000 N
- 荷重の位置:左端 A から a = 400 mm(右端 B からは b = 600 mm)
左右非対称にしているのは、対称な例題だけを練習すると「真ん中が最大」という誤解が身についてしまうためです。実際の装置で荷重がきれいに中央に載ることは、ほとんどありません。
STEP1:反力を求める
支点A(左)とB(右)の反力を R_A、R_B とします。使うのは2つのつり合い式だけです。
① 上下方向の力のつり合い
R_A + R_B = W = 1,000 N
② 点Aまわりのモーメントのつり合い
R_B × L = W × a
R_B × 1,000 = 1,000 × 400
R_B = 400 N
①に戻して、R_A = 1,000 − 400 = 600 N となります。
ここで直感と照らし合わせてください。荷重は左寄り(A から 400 mm)にあるので、近いほうの A が多く負担する。600 N > 400 N という結果は、その感覚と一致しています。計算結果が直感と合うかを毎回確かめる習慣が、ケアレスミスを防ぐ最大の防御です。
STEP2:区間ごとに切って式を立てる
荷重点を境に、梁は2つの区間に分かれます。区間の分かれ目は「集中荷重の作用点」「支点」「分布荷重の始まりと終わり」です。
第1区間(0 ≦ x ≦ 400 mm)
左端から x の位置で切り、左側だけを取り出します。左側に働いているのは R_A = 600 N だけです。
- せん断力:Q = R_A = 600 N(一定)
- 曲げモーメント:M = R_A × x = 600x
x = 0 で M = 0、x = 400 で M = 600 × 400 = 240,000 N·mm です。x の一次式なので、グラフは直線になります。
第2区間(400 ≦ x ≦ 1,000 mm)
同じく左側を取り出しますが、今度は R_A と W の両方が含まれます。
- せん断力:Q = R_A − W = 600 − 1,000 = −400 N(一定)
- 曲げモーメント:M = R_A × x − W × (x − 400) = 600x − 1,000x + 400,000 = −400x + 400,000
x = 400 で M = 240,000 N·mm、x = 1,000 で M = 0 となり、第1区間の終わりの値と一致します。左右から計算した値がつながることが、検算になっています。
STEP3:グラフにする
得られた値を整理します。
| 位置 x (mm) | せん断力 Q (N) | 曲げモーメント M (N·mm) |
|---|---|---|
| 0(支点A) | +600 | 0 |
| 400(荷重点) | +600 → −400 | 240,000 |
| 1,000(支点B) | −400 | 0 |
せん断力図(SFD)は、荷重点で 600 N から −400 N へ段差状に落ちます。曲げモーメント図(BMD)は、両端がゼロで荷重点が頂点の三角形になります。最大曲げモーメントは 240 N·m(240,000 N·mm) です。
なお、集中荷重の場合は公式 M = W·a·b / L でも確認できます。1,000 × 400 × 600 ÷ 1,000 = 240,000 N·mm。手計算の結果と一致しました。
ここで押さえておきたい関係が1つあります。せん断力がゼロを横切る位置が、曲げモーメントの最大点になります。 これは数学的には dM/dx = Q という微分の関係から導かれるものですが、実務上は「SFD を先に描けば、BMD の頂点がどこかは見なくても分かる」という強力なチェック手段になります。
【検証】符号の向きが参考書によって逆になるのはなぜか

ここが独学者を最も苦しめるポイントです。手元の教科書では下側に膨らんでいた図が、別の本では上側に描かれている。どちらかが間違っているように見えますが、実際にはどちらも正しいというのが答えです。理由は分野ごとの作図の慣習にあります。
機械系と建築・土木系で流儀が違う
大まかに言えば、次のような違いがあります。
| 分野 | 作図の慣習 | 単純梁・中央集中荷重の場合 |
|---|---|---|
| 機械系(材料力学) | 数学的な符号規約に従い、正の曲げモーメントを上向きに描くことが多い | グラフが上に凸の三角形になる |
| 建築・土木系(構造力学) | 部材の引張側に描く | グラフが下側に膨らむ |
単純梁の中央に荷重が載ると、梁の下面が引き伸ばされ、上面が縮みます。建築・土木の流儀では「引っ張られている側に図を描く」ため、図は下に出ます。一方、機械系の教科書では符号の定義に従って上に描くものが多く、同じ梁でも見た目が上下反転します。
どちらを使えばよいか
結論はシンプルです。自分が仕事で使う分野の流儀を1つ選び、社内の図面や計算書とそろえてください。 機械設計に携わるなら機械系の流儀で統一するのが自然です。
その上で、覚えておくと事故を防げる考え方があります。図の上下がどちらであっても、「梁のどちら側が引っ張られているか」は物理現象として1つしかないという点です。図の向きは表現の問題ですが、引張側は現実です。
これは実務で効いてきます。たとえば梁の下面に溶接ビードを置く設計にした場合、そこが引張側であれば溶接部に引張応力が集中します。溶接部は母材より欠陥が生じやすいため、引張側への配置は避けたいところです。図の向きを暗記していただけでは、この判断ができません。溶接部の設計上の注意点については溶接設計の基礎でも整理していますので、あわせて確認してみてください。

なお、材料力学の基礎的な符号の考え方は日本機械学会の材料力学テキストなどで体系的に扱われています。流儀に迷ったときは、学会や業界団体が発行している資料を基準にするのが安全です。
【比較】片持ち梁と単純梁|同じ荷重でも最大値は4倍違う

曲げモーメント図の形は、支持の仕方で大きく変わります。ここを数字で比べておくと、設計判断のスピードが上がります。
条件をそろえて比較します。長さ L = 1,000 mm、荷重 W = 1,000 N とし、単純梁は中央に集中荷重、片持ち梁は先端に集中荷重とします。
| 支持条件 | 最大曲げモーメントの式 | 計算値 | 最大位置 |
|---|---|---|---|
| 単純梁・中央集中荷重 | W·L / 4 | 250 N·m | 梁の中央 |
| 片持ち梁・先端集中荷重 | W·L | 1,000 N·m | 固定端(付け根) |
同じ荷重・同じ長さでも、片持ち梁は単純梁の4倍の曲げモーメントを受けます。等分布荷重で比べても、単純梁が wL²/8、片持ち梁が wL²/2 で、やはり4倍です。
この差が意味するのは、「片側だけで支える」という設計判断のコストは非常に大きいということです。装置の設計では、スペースの都合で片持ちにしたくなる場面がよくあります。センサのブラケット、点検用のステップ、カバーの支持金具などが典型です。しかし片持ちにした瞬間、付け根に4倍の負担が集まります。
さらに厄介なのは、片持ち梁の最大位置が必ず固定端だという点です。固定端はボルト締結か溶接で作ることがほとんどで、そこは構造上もっとも不連続な部分にあたります。最大応力と最も弱い部分が重なるわけです。
私自身、点検用のステップを片持ちで設計し、現場で「乗ると沈む」と指摘されたことがあります。強度計算上は問題なかったのですが、たわみの検討が甘かったのが原因でした。片持ちを選ぶなら、反対側に支点を追加できないかを先に検討する。 これが遠回りに見えて、いちばん早い解決策です。
曲げモーメント図の次にやること|板厚を決めるまでの流れ

図が描けたら、そこから実際の部材寸法を決めます。ここまでつなげて初めて、曲げモーメント図は設計の道具になります。先ほどの例題(最大曲げモーメント 240,000 N·mm)で進めます。
STEP1:許容応力を決める
材料を SS400(一般構造用圧延鋼材)とします。SS400 の降伏点は日本産業規格 JIS G 3101 で規定されており、板厚 16 mm 以下が 245 N/mm²、16 mm を超え 40 mm 以下が 235 N/mm² です。今回は後者に該当する見込みのため、235 N/mm² を基準にします。静的荷重で安全率を 2.5 とすると、許容応力は次のようになります。
σa = 235 ÷ 2.5 = 94 N/mm² → 安全側に見て 90 N/mm² を採用
安全率をいくつにするかは、荷重の変動・人が乗るか・破損時の影響度で変わります。この数字を根拠なく決めてしまうと設計全体が揺らぐため、安全率の考え方を一度整理しておくことをおすすめします。

STEP2:必要な断面係数を求める
σ = M / Z を Z について解きます。
Z ≧ M / σa = 240,000 ÷ 90 ≒ 2,670 mm³
STEP3:断面寸法に落とし込む
幅 b = 50 mm の平鋼を使うとして、長方形断面の断面係数は Z = b·h² / 6 です。
50 × h² ÷ 6 ≧ 2,670
h² ≧ 320
h ≧ 17.9 mm → 板厚 19 mm または 20 mm を採用
ここまでで「50 × 19 の平鋼」という具体的な答えが出ました。曲げモーメント図が、購買に発注できる形の情報に変わったことになります。
この平鋼を、薄い平鋼を2枚重ねて代用できるかどうかは、平鋼を重ねたときの強度で解説しています。
STEP4:たわみを必ず確認する
強度が足りていても、たわみが大きければ製品として成立しません。ここが初心者の最大の落とし穴です。
中央集中荷重のたわみは δ = W·L³ / (48EI) で求まります。断面二次モーメントは I = b·h³ / 12 なので、50 × 19 の平鋼なら I = 28,579 mm⁴、鋼のヤング率 E = 206,000 N/mm² を代入すると、中央たわみは約 3.5 mm になります。
強度は満たしているのに、1 m のスパンで 3.5 mm も沈む。装置のフレームとしては、この時点ですでに厳しい数字です。そしてスパンを 3,000 mm に延ばすと、状況はさらに悪化します。
| スパン | 必要板厚(強度から) | 中央たわみ |
|---|---|---|
| 1,000 mm | 19 mm | 約 3.5 mm |
| 3,000 mm | 32 mm | 約 20 mm |
スパンが3倍になると曲げモーメントは3倍で済みますが、たわみは L³ に比例するため27倍の影響を受けます。板厚を 19 mm から 32 mm へ増やしても追いつかず、20 mm も沈む計算です。この領域では、強度ではなく剛性が設計を支配します。
装置のフレームや定盤では、自重だけでたわみが問題になることもあります。荷重が載る前の段階で検討が必要なケースについては、自重たわみの計算手順にまとめてあります。
曲げモーメント図は「壊れるかどうか」しか教えてくれません。「使えるかどうか」は、たわみを計算して初めて分かります。

実務で私が必ず行う3つの検算習慣

最後に、現場で使える検算の習慣を共有します。どれも1分かからず、計算ミスの大半をここで捕まえられます。
習慣1:反力の合計が荷重の合計と一致するか
当たり前に思えますが、荷重が3つ4つと増えると合わなくなることがあります。例題では 600 + 400 = 1,000 N で荷重と一致していました。この確認を最初にするだけで、以降の計算が全部無駄になる事態を防げます。
習慣2:BMDの端がゼロになっているか
ピン支持・ローラー支持・自由端では、曲げモーメントは必ずゼロです。図の端が浮いていたら、どこかで符号か式を間違えています。逆に、固定端ではゼロになりません。ここが合っているかどうかで、支持条件の設定ミスにも気づけます。
習慣3:SFDのゼロ交差とBMDの頂点が一致するか
前述したとおり、せん断力がゼロを通過する位置が曲げモーメントの最大点です。2つの図を上下に並べて縦線を引き、頂点の位置がそろっているかを目で確認します。分布荷重が絡む問題では、この確認が最大値の見落としを防ぐ決め手になります。
実務でさらに注意したい3つの落とし穴
計算そのものが合っていても、前提が現実とずれていれば意味がありません。私が痛い目を見てきた項目を挙げます。
- 自重を忘れる:長尺の部材では自重が支配的になります。鋼材の密度は約 7.85 g/cm³ で、3 m の 50 × 30 平鋼なら約 35 kg です。無視できる重さではありません。
- 荷重が動く前提を見落とす:走行台車やワークが移動する構造では、荷重位置によって最大曲げモーメントが変わります。最悪位置を探す必要があります。
- 支持条件を都合よく仮定する:「単純支持」として計算したのに、実際はボルト4本でがっちり固定されている場合、回転が拘束されて応力分布が変わります。
計算の精度を上げる前に、前提が現実と合っているかを疑ってください。桁を間違えない工夫より、モデルを間違えない工夫のほうが、設計の質に効きます。 なお計算結果をどこまでの桁で扱うかについては、有効数字の扱い方も参考になります。
資格試験の対策として体系的に学び直したい方は、機械設計技術者試験2級の学習戦略もあわせてご覧ください。

まとめ|曲げモーメント図は設計判断の出発点
曲げモーメント図は、公式を暗記する対象ではなく、梁のどこが一番つらいかを示す地図です。この記事の要点を整理します。
- 描き方は「反力を求める → 区間ごとに切って式を立てる → グラフにする」の3手順で、例題では最大 240 N·m が荷重点に生じました。
- 図の上下が参考書で逆になるのは、機械系と建築・土木系で作図の慣習が違うためであり、どちらも誤りではありません。引張側がどちらかという物理現象だけは1つです。
- 片持ち梁は単純梁の4倍の曲げモーメントを受け、その最大位置は溶接やボルトのある固定端と重なります。
- 図を描いた後は σ = M / Z で断面係数を求め、板厚まで落とし込みます。ただし強度を満たす板厚でもたわみは残るため、スパンが長いほど剛性が設計を支配します。
はじめは手が止まって当然です。私も1年目は、先輩の計算書を何度も書き写しながら覚えました。大切なのは、きれいな図を描けることではなく、その図を見て「だから板厚を何ミリにする」と言えることです。 1本の梁で最後まで通して計算した経験が、次の設計で確実に効いてきます。
板厚を決めたら、次はその材料で本当によいかを確かめる番です。強度だけで決めてはいけない理由は、材料選定の考え方で解説しています。



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